さわらの西京漬け

ご飯と焼き魚。

もうこれさえあれば、というくらい、相性は言うまでもありませんが、

脂ののったお魚の西京漬けは、手づくりが格別です。

 

3日後のお昼にお客様がいらして、昼食を兼ねてミーティングをすることになったので、

和食ランチをと、「さわらの西京漬け」を仕込むことにしました。

実はこんな時、漬け魚というのはとても重宝するのです。

 

おいしいお魚料理を作りたいときは、お魚の鮮度が気になるところ。

できれば、お料理をするその日に鮮度の良いものを購入したい。

ですが、ランチ用にというと、朝早くから買える場所は近くにはないし、市場まで買いに行くには時間もありません。

それならば、数日前によく見極めてお魚を買って、西京漬けなどの漬け魚にしておけば、むしろ時間がお魚をおいしくしてくれます。

熟成によって、お魚のうま味がアップしたり、ごちそう感も増して、お客様にも喜んでいただけます。

市販の西京漬けは、わが家の好みからするとちょっと甘みが強いものが多いので、

自分で仕込めば好みの味のバランスにできるのも良いのです。

 

西京漬けの漬け床の材料は、西京味噌(200g)、清酒(大さじ2)、みりん(大さじ2)。

この3つを混ぜたところに、魚の切り身をつけこみます。

 

西京漬けのお魚は、本当にご飯とよく合いますが、

漬け床になる3つの材料、すべて、お米も材料になっている調味料、というのも面白いですね。

どれも、米麹による発酵調味料。

お米でお米がおいしくいただける、というこの西京漬け。

お米をご飯として食べる以外にも、お米によって豊かになっている食文化のひとつと言えますね。

 

西京漬けは、今回はさわらを使いましたが、他にも銀だら、鮭、さば、カレイ、金目鯛、甘鯛など、脂ののったお魚によく合います。

漬ける前にお魚の切り身には塩をふり、出た水分を拭いておくことで、臭みとりになります。

バットなどに漬け床を半量敷いて、その上に切身をのせて、残りの漬け床をのせて冷蔵庫に。

しっかりと味が入って身もほどよく締まる、漬けて3日め~5日めくらいが好みです。

漬け床のみそは、焼く時にはよく拭き取るか、洗ってよく水けをとるかしてから焼きます。

さらしやペーパーなどをはさんで、直接漬け床に切身があたらないようにすれば、その手間は省けるのですが、

どうも直接に漬けた方がおいしいように感じるので、わが家ではそうしています。

何度も作っていても、当然のことながら漬け床の配合、漬ける時間、漬け方、その時使う素材、などの条件によって

やっぱりちょっとずつ仕上がりが違うんですよね。

漬ける、というのは、すぐに結果が分からないのが面白い。

祖母と母からの教えのひとつ。

「やりやりしてみないや」

私の地元の方言で、「いろいろやってみて勉強しなさい」、という意味です。

いろいろとまた試しながら、やりやりしたいと思います。

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